人件費を景気連動にすれば良い

書籍や雑誌出版を手掛ける株式会社ダイヤモンド社の「ダイヤモンド・オンライン(以下「DO」)」に掲載されている「有効求人倍率が高くても、決して歓迎できない理由」が話題になっています。

 

 

内容は、厚生労働省が発表した4月の全国の有効求人倍率(季節調整値)についての分析です。

 

 

政府も厚生労働省も、今回の有効求人倍率上昇の結果を「景気が緩やかに回復していることに伴い、雇用情勢も改善している」としています。

 

しかし、その中身はどの様になっているのでしょう?

 

DOは現在の有効求人倍率の上昇は、求人数の増加も要因ですが求職者減少の影響が大きいとDO見ています。

 

そもそも有効求人倍率は、求人数の増加(雇用条件の改善)だけでなく、求職者の減少(人手不足の深刻化)によっても上昇するわけですから、倍率だけで景気回復とは言えないとした指摘ですね。

 

過去のデータを見れば、2015年12月以降は求職者の減少が倍率に与える影響が大きい事がわかりました。

 

2015年12月と2016年4月で比較してみると。。。

 

求人数はアベノミクスの影響(?)で、約19,000人(+0.8%)増加しています。

ところが求職者数は約86,000人(4.4%)減少しています。

求人の増加より求職の減少スピードが早い様に見えます。

 

労働力人口の減少は、残念ながら我が国がこれからも抱える大問題です。

ですから今後も求人数が極端に減少しない限り、有効求人倍率は自動的に上昇するモノなのです。

 

さて、お話をDOの記事に戻しますが、有効求人倍率(季節調整値)を雇用形態別に見ると違った特徴が見えてくる事も指摘しています。

 

それは「倍率上昇が顕著なのは新規学卒とパートタイムである」とした点です。

新卒意外の正社員求人は倍率が上昇していないのです。

最近のパートタイム賃金上昇はこれで説明がつきますね。

 

逆に、求人倍率の低い正社員の賃金はさほど上がっていません。

つまり正社員需要がまだまだ少ないのです。

おそらくこの影響なのでしょう、既存正社員の実質賃金はあまり上昇していません。

 

 

さてさて、今までがDOの記事の内容(プラス私の意見)です。

要約すれば、下記がポイントになります。

 

(1)求職者が減少しているから有効求人倍率が上昇。

(2)求人数が増加は賃金の低い分野。

 

これは深刻な事態ですね。

 

まったく、政府や厚労省は「景気が緩やかに回復している…」は何を根拠に言っているのでしょう? 

不思議です。

 

では、「求職者が減少」と「求人数が増加は賃金の低い分野」を打開するために何をすれば良いのでしょう? (以下はDOとは無関係なお話)

 

労働力人口を急速に増加させるには、移民を含め海外からの労働力受入をするしか方法はありません。

ただし大幅にこれを緩和すると、必ず治安は悪化してネイティブと流入者との間での摩擦問題などが発生します。今のイギリスやシンガポールを見れば明らかですね。

 

また明日突然にして人口増加の秘策が編み出されても、その考課が期待できるまで20年以上を要します。(人間は生まれてスグ労働できませんので)

 

つまり30年~50年スパンで見れば、確実に日本の労働力人口は減少するのです。

 

ってコトは、日本はますます人手不足に?

 

いえいえ、打開策はあるのです。

 

 

それは『生産効率の向上』です。

 

たとえば産業機械。

 

農産物加工設備の「粗製でん粉貯そう」の様に対応年数が25年なんてものもありますが、概ね10年~15年ほどでほとんどのマシンは交換時期が到来します。

 

にもかかわらず、バブルが弾ける10年ほど前に投入されたマシンを更新できずに今も修理しながら使っている町工場が沢山あります。マシンはなんと35年モノ!

 

 

この古いマシンが1時間あたり60個の製品を製造できるものだとしましょう。

おそらく最新のものと入れ替えれば2倍以上の生産が可能なはずです。

なんなら、ムダな材料を消費しないエコ設計です。

(スーパーマーケットで無人の自動レジスターを導入するのと同じですね)

 

早い話が、マシンを交換すれば同じ時間で倍の生産ですから、人材は半分で済むお話になります。

この工場の人手不足は概ね一段落。

 

でもここで終われば、失業者を増やしているダケです。

一歩間違えば『生産効率の向上』で経済は今より悪化します。

 

ですから経営者の方は、倍の利益を得る事を考えていただきたいのです。

(数量と共に単価も利益も下がりますので倍にはなりませんが、原価は下がり売上額も利益額も増えます)

 

もちろん生産を倍にしたおかげで在庫が増えては困ります。

そこで、能力の高い営業マンやネット販売に強い技術者を正社員で採用するのです。

またまた売上や利益が増えればさらに生産性の良いマシンの導入。

ますます事業の拡大に向けて邁進してください。

 

その次のステップになれば、今度は労働者の給与をグイグイ上げて欲しいものです。

「給料が増えた人=消費者」は、生活を豊かにするため預金もしますが、今まで以上の購買行動を行います。

これぞ内需の拡大。

 

製品が売れれば、家電でも自動車でも、短いスパンで新たな製品開発を行います。

その結果、ますます魅力的な製品が完成して市場が活性化するのです。

もちろん、海外からのオファーも増えて輸出も増加。

 

再び研究セクションも製造現場も、下請けさんも孫請けさんも販売関係の部署だって人手不足になりますが、製品が売れて増産が見込めるなら、どんな会社も設備を増強したり最新機器で生産効率を高めたり、あるいは精度の高い管理人員増員、市場を獲得するためのセールスを求人をするのです。

 

本来はこの状態に押し上げていただいてからの有効求人倍率を見て「景気が緩やかに回復していることに伴い、雇用情勢も改善している」としていただきたいですね。 政府も厚労省も。

 

 

 

では『生産効率の向上』のための具体的な方法です。

 

たとえば「生産効率向上に向けた開発に対しての補助金」などはいかがでしょう?

あるいは、今までの様な救済目的のものではなく「売上増加企業に対する雇用促進助成金」なども有効だと思います

 

いずれも大企業向けは不要です。

中小や零細を中心としたものでなければ意味はありません。

 

なぜなら消費者のほとんどが中小あるいは零細企業勤務であるワケですから、この人達を活性化しなければ経済は動きません。今の様に内部留保たっぷりな大企業を支援したり刺激しても無意味なのです。

 

そもそも実証性の観点からもトリクルダウンなど、あり得ないお話。 

上から流し込めば下が潤うとした経済状況改善策を裏付けるマトモな研究すら存在してません。

アレこそ妄想。

 

そうなんです、本当の景気回復のきっかけはボトムアップからこそ始まるのです。

 

 

 

以上、4月の全国の有効求人倍率(季節調整値)について分析したDOに乗っかって書いた誰も見ないだろう不毛なブログでした。

 

最後になりますが、物事は現状を正しく分析して改善点を見つけ出し、迅速に具体的な対策を講じる事が企業も国も大切だと思っています。

なのにナゼだか日本はムチャクチャです。

 

このムチャクチャ状態を正常化させるの対策。

それは、政治家と公務員の人件費を景気連動にすれば良いのだと考える今日このごろです。

 

 

ちなみに時事通信が「4月の機械受注11%減 2カ月ぶりマイナス」と、本日付で情報配信しています。

 

ホレ見たコトか。

 

------ 時事通信の記事 --------------------------------------------

内閣府が9日発表した4月の機械受注統計(季節調整値)によると、

民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額は

前月比11.0%減の7963億円となり、2カ月ぶりに前月実績を下回った。

下落率は2014年5月以来の大きさ。

大型案件の受注が減ったことなどが響き、製造業、非製造業ともに

マイナスとなった。