基本は中国もASEANも同じ

ASEAN進出の際も気をつけましょう
返品されたモノとカビの生えた食材をマゼマゼして再加工

中国の食品加工工場が問題となってますね。

でもコレ、中国特有の問題では無いと思います。

私は過去数年に渡り、中国で玩具を製造して日本市場で販売する会社を経営していました。
本社は日本。オフィスと自社工場が上海にあって、浙江省には提携工場がありました。

自社工場や提携工場の設備や技術では出来ない注文を受ける事もあったのですが、そんなトキはお願いできる外部の工場をアッチコッチ探します。

 

探すトキは私自身か信頼するスタッフが、必ず現地(工場)を視察します。

当時(2006年前後)すでに、日本企業が投資していて信頼できそうな中小の外部玩具工場とのお付き合いは数件ありました。

でも、納期や価格の問題で毎回下請けさんとしてお願いできるわけではありませんでした。

日本関連の工場に依頼が出来ない場合、次は欧米資本の玩具工場を探します。
でも欧米資本だと、大手メーカーの専属工場など、見つかるのは巨大工場ばかり。

私などは相手にしてもらえませんでした。
ですから渋々、中国人経営者(資本)の工場をあたってみるのです。

 

現地資本ですから零細から中堅・大手までズラリ無数に有るのですが、欧米や日本向けの製品を作っている工場にポイントを絞ります。

 

ある日、量産品の相談で100%中国人経営者(資本)の工場を視察する事となりました。

 

その際出会ったのが、厳しい製造管理を要求されると噂であるディ*ニー**ンド(以下D社)の規準をクリアしている中堅工事でした。

工場の社長も、D社製品の製造を行っているコトがイチバンの自慢でした。

初めてお会いした日も、オーバーな身振り手振りで工場のスペックを説明してくれます。

さて、翌日あらためて工場を視察。
確かにD社のキャラクターの玩具が工場のラインでは製造されていました。

しかしビックリ!

「工場内を 汚ったない犬が 歩いとるがなかぁ~」

D社に限らず欧米企業のほぼ全ては、契約前に必ず工場を視察・審査します。

私が視察するくらいですから、当然と言えば当然です。

めぼしい相手だと判断されると、速やかに条件交渉を開始。合意すれスピーディーに契約となります。
(おそらく視察の御一行様は、一刻もは早く環境の悪い中国から逃げたいのです)

契約を終えれば、1月以内に大勢の指導役の社員が、通訳と一緒に本国から押し寄せ機械配置から原材料や薬品の指定・保管方法、作業手順や検品・梱包方法、下手すると社員食堂の食器や靴下の色まで口出ししてきます。

指導役の社員は、テキパキと業務をこなせば「ホナ、サイナラぁ~」。

(やっぱり、彼らも環境の悪い中国から、さっさと逃げたいのです)


でも、その後は一切のコンタクトは無し。

(絶対、環境の悪い中国へ、二度と行きたくないのです)

 

私がこの日に視察した工場も「契約をしてから4年間、D社の人は一度も来たことが無い」とのコトでした。

そうなんです。
契約を交わし、指導も行ったんだから「後はヨロシクぅ」なんです。

でも、コレって先進国同士では常識ですよね。
スゴク普通のコトなんです。 ちゃんと契約してるんだし。

しかし、監視が不在(商品購入者の目が届かない)となった中国工場は、スグに猿山状態と化します。

一応、ボスは存在しており、社員の序列もあります。

でも秩序や理性・常識などは無くなります。


もちろん仕事(製造)をしなければ大変なコトになります。

ですから、なんとなく仕事はしますが、教えられた手順や規則はスッカリ失われています。
懸命にミスを発生させ、大量の不良品を全力で作り上げるのです。
(不良品が多いコトは、他にも原因が有りますが・・・)

話題になった鶏肉加工工場が、まさにソレです。
「食材を床に落としたら、素早くラインに戻す」なんて絶対に指導されてないハズです。

 

今朝、専門家と称する方がTVで「貧富の格差が工員の不満を増長させた結果、ズサンで手抜き作業が・・・」なんて言ってました。その指摘は皆無ではありません。
でも、貧富の格差なんて原因としてはミジンコくらい小さなモンです。

本当の原因は「考え方」です。

工場のトップから末端(番犬)まで全員が「出来上がればナンでもいい」が基本なのです。
ついでに「少しのミスならバレない」と信じており、バレたら「運が悪かった」としか考えていないのです。


ちなみに、欧米や日本に留学した経験をもつ中国人が製造管理者をしている工場でも事態は同じです。

彼らは西側諸国の規準や常識を知ってますが、帰国して数週間で元の中華的感覚に戻ります。

不思議なコトです。

 

さらに驚きですが、日本人が製造管理を行っても、なぜか中国の工場で仕事をすれば「ゆるい製品」が出来てしまいます。 理由は下記の通りです。

 

たとえば中国でも高級とされる高層ホテルに宿泊。。。

 

初日、朝目覚めてシャワー。

 

床と直角に取り付けてあるハズのタオルフォルダが、ナゼだか斜めに設置されている事に気が付ます。

部屋を出てエレベータに乗ろうと「▽」ボタンを押すのですが、このプレートがやはり斜め。

ロビーに着くと、ドアボーイが先に仕事を終えた同僚と奇声を上げて大声で談笑。

タクシーに乗るため並んでいると、アホ満開な顔したおっさんがシレーッと列に割り込み。

タクシーに乗ったら乗ったで、ちょっとだけ遠回り。

到着した工場では、汚い犬が遠吠えでお出迎え。

 

コレを1週間ほど繰り返すと、細かい事など気にならなくなります。

歪んだ日常や常識が正常に感じる様になってくるのです。不思議。

 

その結果、どんどん管理する製品もダメになるのです。

コレを我々は「チャイナ・マジック」と呼んでました。

もしM社が、鶏肉落下問題から信用回復したいなら、「チャイナ・マジック」から目覚める事が必要です。

 

お話は長くなりましたが、先日、工場設立のためにミヤンマーを視察してきた社長さんにお会いしました。

たまたま上記の様な話題になったのですが、社長さん曰く「ミヤンマー・マジックも存在する」とのコメント。

 

どうやら、基本は中国もASEAN諸国も同じだと心得る方が良いみたいです。